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介護・バリアフリーリフォームの費用と介護保険の住宅改修|20万円給付の使い方を施工管理8年が解説

介護・バリアフリーリフォームの費用相場と、介護保険の住宅改修費(上限20万円)の使い方を施工管理8年・二級建築士の著者が解説。対象工事・申請手順・手すり/段差解消の目安・相見積もりで損しないコツまでまとめました。

森田 健 二級建築士 監修

ゼネコン施工管理8年|二級建築士

・ 読了 約11分

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親の介護や、自分自身の老後を見据えたバリアフリーリフォームは、「いくらかかるか」と同じくらい「介護保険でどこまで戻るか」を知ることが大切です。私はゼネコンで施工管理を8年間担当し、積算・見積書の管理を現場で行ってきました。住宅改修の見積書を見る中で、「制度を知らずに損をしている」ケースを何度も見てきました。

この記事では、次のような疑問を持つ方に向けて、費用と制度の両面から整理します。

  • 手すりの取り付けや段差解消は、だいたいいくらかかるのか
  • 介護保険の「住宅改修費」とは何か、いくら戻るのか
  • どんな工事が介護保険の対象になるのか
  • 申請はどんな手順で、いつ申請すればいいのか
  • 介護保険と他の補助金は併用できるのか

📌 結論(先に書きます)

  • 介護保険の住宅改修は、対象工事の費用のうち上限20万円分が支給対象(自己負担1〜3割)
  • 手すり設置・段差解消・滑り防止・扉の変更・洋式便器への交換などが代表的な対象工事
  • 申請は「工事前」に行うのが原則。事後申請は対象外になりやすい
  • 要介護・要支援の認定を受けていることが利用の前提
  • 介護保険と自治体のバリアフリー補助は併用できる場合がある(要確認)

バリアフリーリフォームの主な工事と費用の目安

まずは、よく行われるバリアフリー工事の種類と費用の目安を整理します。金額はあくまで一般的な目安レンジで、住宅の状況・範囲・仕様によって大きく変わります。

工事の種類費用の目安主な内容
手すりの取り付け(廊下・階段・トイレ等)1万〜10万円程度設置箇所数・下地補強の有無で変動
段差解消(スロープ設置・敷居撤去)2万〜20万円程度屋内の小段差〜玄関アプローチまで
滑りにくい床材への変更5万〜20万円程度廊下・浴室など範囲による
引き戸への扉交換5万〜25万円程度開き戸から引き戸へ・1か所あたり
和式から洋式便器への交換15万〜50万円程度便器交換+床・配管工事を含む
浴室のバリアフリー化(手すり・床・段差)20万〜120万円程度部分改修〜ユニットバス交換まで

浴室の本格的な改修はユニットバスの交換を伴うため費用が大きくなります。浴室全体の費用感は水回りリフォームの費用相場もあわせてご覧ください。


介護保険の「住宅改修費」とは

バリアフリーリフォームを考えるうえで必ず押さえたいのが、介護保険の住宅改修費という制度です。

上限20万円・自己負担1〜3割が基本

要介護・要支援の認定を受けている方が対象の住宅改修を行った場合、費用のうち上限20万円分が支給対象になります。自己負担は所得に応じて1〜3割で、たとえば1割負担の方なら、20万円の工事に対して自己負担2万円・支給18万円というイメージです。

工事費自己負担(1割の場合)支給額
10万円1万円9万円
20万円2万円18万円
30万円12万円(20万円超過分10万円+20万円の1割)18万円

※上限20万円を超えた分は全額自己負担になります。20万円は「生涯の上限」が原則ですが、要介護度が大きく上がった場合や転居した場合は再度利用できることがあります。詳細は必ずお住まいの市区町村・ケアマネジャーに確認してください。

対象になる工事

介護保険の住宅改修で対象とされる主な工事は次のとおりです。

  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消(スロープ設置・敷居の撤去など)
  • 滑りの防止・移動の円滑化のための床材変更
  • 引き戸などへの扉の取り替え
  • 洋式便器などへの便器の取り替え
  • 上記の工事に付帯して必要となる工事

逆に、デザイン目的のリフォームや、介護に直接関係しない設備のグレードアップは対象外です。何が対象になるかは個別判断になるため、事前にケアマネジャーへ相談するのが確実です。


申請の手順:必ず「工事前」に動く

介護保険の住宅改修で最も大事なのは、原則として工事の「前」に申請するという点です。工事が終わってから申請しても対象外になりやすいので注意してください。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. ケアマネジャー等に相談:どんな工事が必要か、対象になるかを相談する
  2. 業者選定・見積もり取得:複数社から見積もりを取り、内容を比較する
  3. 事前申請:住宅改修が必要な理由書などを添えて市区町村に申請する
  4. 工事の実施:申請内容に沿って工事を行う
  5. 完成・支払い:いったん費用を支払う(償還払いの場合)
  6. 事後申請・支給:領収書・写真などを提出し、支給分が払い戻される

自治体によっては、自己負担分だけを先に払う「受領委任払い」に対応している場合もあります。立て替えが負担になる方は、この方式が使えるか確認するとよいでしょう。

手順の途中にある「複数社から見積もりを取る」工程はとても重要です。住宅改修は工事範囲が小さい分、業者ごとの差が出やすいためです。相見積もりの取り方はリフォーム相見積もりの取り方で詳しく解説しています。


見積書で確認すべきポイント(施工管理目線)

積算の現場で多くの見積書を見てきた経験から、バリアフリー工事の見積書で特に確認してほしい点をお伝えします。

下地補強の有無が書かれているか

手すりは、ただ壁にネジで留めればよいわけではありません。体重を支えるため、壁の中に下地(補強板)が必要です。下地補強の費用が見積もりに入っているか確認してください。これが抜けていると、後から追加請求になりがちです。

工事範囲と数量が明確か

「手すり工事 一式」ではなく、「廊下◯m・トイレ1か所・階段◯段」のように、どこに何本・何mつけるのかが明記されているかを確認します。範囲が曖昧だと比較できません。

介護保険対象部分と対象外部分が分かれているか

1回の工事の中に、介護保険の対象工事と対象外の工事が混在することがあります。支給対象になる部分とならない部分が見積書で分かれているかを確認すると、戻ってくる金額の見通しが立ちます。

補修・原状回復の扱い

扉の交換や段差解消では、周囲の壁・床の補修が必要になることがあります。補修費が含まれているか、別途なのかを確認しておきましょう。

「一式」表記の危うさについてはリフォーム見積書の”一式”は危険で掘り下げています。


介護保険と他の補助は併用できる?

バリアフリー・介護リフォームには、介護保険の住宅改修以外にも、自治体独自の助成や、省エネ・耐震とあわせた補助制度が使える場合があります。

  • 自治体のバリアフリー助成:市区町村が独自に上乗せ助成を行っているケースがあります。介護保険と併用できることもあります。
  • 国の補助金:断熱や省エネを伴う改修なら、別枠の補助制度の対象になる場合があります。
  • 所得税の控除:一定のバリアフリー改修は税制上の優遇の対象になることがあります。

ただし、制度同士の併用可否や条件は自治体・年度によって異なります。「同じ工事費に二重で補助が出る」とは限らないため、必ず事前に市区町村やケアマネジャーへ確認してください。補助金全般の考え方はリフォーム補助金の使い方でまとめています。


バリアフリー・介護リフォームのチェックリスト

工事を進める前に、次の項目を確認しておくと失敗が減ります。

  • 要介護・要支援の認定を受けている(住宅改修費の前提)
  • 工事の「前」にケアマネジャー・市区町村へ相談・申請した
  • どの工事が介護保険の対象かを確認した
  • 複数社から見積もりを取り、内訳を比較した
  • 手すりの下地補強費が見積もりに含まれている
  • 対象工事と対象外工事が見積書で分かれている
  • 立て替えが負担なら受領委任払いが使えるか確認した
  • 自治体の上乗せ助成など併用できる制度を調べた

CTAブロック:見積もりを比べて自己負担を抑える

介護保険の支給は上限20万円が基本です。だからこそ、工事費そのものを適正にすることが、自己負担を抑える近道になります。一括見積もりサービスを使えば、複数社の見積もりを効率よく集めて比較できます。

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※当サイトは費用比較ガイドです。介護保険・補助金の支給可否や金額を保証するものではありません。対象工事・申請手続きは必ずお住まいの市区町村・ケアマネジャーにご確認ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 介護保険の住宅改修は誰でも使えますか?

A. 要介護または要支援の認定を受けている方が対象です。認定を受けていない場合は、まず認定の申請から始める必要があります。詳しくはお住まいの市区町村の窓口やケアマネジャーにご相談ください。

Q. 20万円は1回しか使えないのですか?

A. 原則は生涯で上限20万円です。ただし、要介護度が大きく上がった場合や、転居して住まいが変わった場合などは、再度利用できることがあります。条件は自治体によって運用が異なるため確認が必要です。

Q. 工事が終わってから申請してもいいですか?

A. 原則として事前申請が必要です。工事後の申請は対象外になりやすいので、必ず工事の前にケアマネジャー・市区町村へ相談し、申請してから着工してください。

Q. 手すりを付けるだけでも介護保険は使えますか?

A. 手すりの取り付けは代表的な対象工事です。ただし、対象になるかどうかは個別の状況で判断されます。事前にケアマネジャーへ相談し、必要書類を整えて申請してください。

Q. 自治体の補助と介護保険は両方使えますか?

A. 併用できる場合がありますが、自治体・年度によって条件が異なります。同じ費用に二重で補助が出るとは限らないため、必ず事前に市区町村へ確認してください。


まとめ

介護・バリアフリーリフォームは、費用相場と介護保険の住宅改修制度を両方理解することで、自己負担を大きく抑えられます。要点を整理します。

  • 手すり・段差解消・床材変更・扉交換・洋式便器化が代表的な工事
  • 介護保険の住宅改修は対象費用のうち上限20万円分が支給対象(自己負担1〜3割)
  • 申請は必ず「工事前」に。事後申請は対象外になりやすい
  • 見積書は下地補強費・対象/対象外の区分・補修費の扱いを確認する
  • 自治体の助成と併用できる場合があるので事前確認を

そして、支給に上限がある以上、工事費そのものを適正にすることが自己負担を抑える鍵です。複数社から同条件で見積もりを取り、内訳を比べることが、損をしないための最も確実な方法です。

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