オール電化リフォームの費用相場|IH・エコキュート・分電盤の内訳と相見積もりのコツを施工管理8年が解説
オール電化リフォームの費用相場を、施工管理8年・二級建築士の著者が解説。IHクッキングヒーター・エコキュート・分電盤更新の費用内訳、ガス併用との比較、補助金、相見積もりで損しないチェックポイントを目安レンジ付きで網羅します。
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ガス給湯器の交換時期や光熱費の見直しをきっかけに、「いっそオール電化にした方が得なのか」「全部替えるといくらかかるのか」が分からず判断できない方が多いです。私はゼネコンで施工管理を8年間担当し、積算・見積書の管理を現場で行ってきました。オール電化は「機器の入れ替え」だけでなく「電気の引き込み・配線・分電盤」まで絡む工事で、見積書のどこを見るかを知っているかどうかで判断の精度がまるで違ってきます。
この記事では、次のような疑問を持っている方に向けて、費用の実態を施工管理・積算の目線から正直に解説します。
- オール電化リフォームは結局いくらかかるのか、機器ごとの目安が知りたい
- エコキュートとIHクッキングヒーターはそれぞれいくらするのか
- 「分電盤の交換」「電気容量アップ」が必要と言われたが、それは何の費用なのか
- ガス併用のままにするのと、オール電化にするのはどちらが得なのか
- 見積書のどこを見れば手抜きや過剰請求を見抜けるのか
📌 結論(先に書きます)
- オール電化リフォーム一式(エコキュート+IH+電気工事)は60万〜120万円程度が目安レンジ
- エコキュート本体+設置で35万〜60万円程度、IHクッキングヒーター交換で15万〜30万円程度が目安レンジ
- 分電盤交換・電気容量アップ(アンペア変更)は別途3万〜15万円程度かかることがある
- 光熱費が下がるかどうかは生活スタイル・電気料金プラン次第で、断定はできない
- 見積書は「機器本体費・既存撤去費・設置工事費・電気工事費」が分かれているか確認する
オール電化リフォームとは
オール電化とは、ガスを使わず、給湯・調理・暖房などの熱源をすべて電気でまかなう住まいのことです。リフォームで切り替える場合、主に次の3つの工事が関わってきます。
- 給湯の電化:ガス給湯器をやめ、電気でお湯を沸かして貯める「エコキュート(電気給湯機)」を設置する
- 調理の電化:ガスコンロをやめ、「IHクッキングヒーター」に交換する
- 電気設備の対応:消費電力が増えるため、分電盤の交換や電気容量(アンペア)のアップが必要になることがある
ここで知っておきたいのが、オール電化は機器を入れ替えるだけでは終わらないことです。エコキュートは貯湯タンクの置き場所が必要ですし、IHや電気給湯は電気の使用量が増えるため、配線・分電盤・電気契約まで含めて考える必要があります。私が現場で見てきた中でも、「機器代だけ」のつもりで進めて、電気工事費の存在に後から気づくケースは少なくありません。
オール電化リフォームの費用相場
機器・工事別の目安
オール電化にかかる費用は、設置する機器のグレードと、既存設備の状態(既存撤去・配管・電気容量)によって変わります。
| 工事の種類 | 費用の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| エコキュート設置(標準容量・本体+工事) | 35万〜60万円程度 | 給湯機本体+貯湯タンク設置・配管 |
| IHクッキングヒーター交換 | 15万〜30万円程度 | 本体+設置・電源工事 |
| 分電盤交換・電気容量アップ | 3万〜15万円程度 | 配線・ブレーカー更新 |
| ガス管撤去・閉栓 | 1万〜5万円程度 | ガス設備の撤去・閉栓手続き |
| オール電化一式(まとめて施工) | 60万〜120万円程度 | 上記をまとめた総額の目安 |
※上記はあくまで一般的な目安レンジです。地域・メーカー・仕様・既存設備の状態によって大きく異なります。
費用を左右する主な要素
(1)エコキュートの容量とタイプ
エコキュートは家族人数に合わせてタンク容量(370L・460Lなど)を選びます。容量が大きいほど本体費が上がります。また、寒冷地仕様や薄型タイプ、ヒートポンプの効率が高い上位機種は価格が上がります。
(2)設置場所と配管の状況
貯湯タンクは屋外に置くのが一般的で、設置スペースの確保や基礎(コンクリート土間)の有無で工事費が変わります。既存のガス給湯器から場所を移す場合は、給水・給湯・追い焚き配管の延長が必要になり費用が増えます。
(3)電気容量と分電盤の状態
IHとエコキュートを同時に動かすと電気の使用量が増えるため、契約アンペアの変更や分電盤の交換が必要になることがあります。築年数が古く分電盤が旧式の住宅では、ここが追加費用になりやすいポイントです。
(4)ガス設備の撤去
これまで使っていたガスコンロ・ガス給湯器の撤去と、ガスの閉栓手続きが発生します。プロパンガスの場合はボンベ撤去の段取りも必要です。
オール電化とガス併用の比較
「電化にすべきか、ガスのままにすべきか」で迷う方が多いので、判断材料を整理します。
| 項目 | オール電化 | ガス併用 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 機器+電気工事でまとまった費用がかかる | ガス給湯器交換なら比較的安い |
| 月々の光熱費 | 夜間電力の使い方次第で下がる可能性 | 使用量・ガス単価による |
| 調理 | IH(火を使わない・掃除が楽) | ガス火(火力の好みが分かれる) |
| 災害時 | 停電時に給湯・調理が止まる | 停電時もガスは使える場合がある |
| お湯切れ | 貯湯式のため使いすぎると湯切れの可能性 | 瞬間式で湯切れしにくい |
光熱費については、「オール電化にすれば必ず安くなる」とは言い切れません。電気料金プラン(夜間が安いプランかどうか)、お湯や調理を使う時間帯、世帯の人数によって損得が変わります。電気料金は改定されることもあるため、「○年で元が取れる」といった断定は避け、現在の光熱費と見積もりを並べてご自身で試算することをおすすめします。
見積書で確認すべき項目(施工管理目線)
オール電化の見積書では、以下が分けて記載されているか確認してください。
- 機器本体費:エコキュート・IHの定価と値引き後価格、容量・型番
- 既存撤去費:ガス給湯器・ガスコンロの撤去・処分
- 設置工事費:貯湯タンクの基礎・据付、IHの取付
- 配管工事費:給水・給湯・追い焚き配管の接続
- 電気工事費:分電盤交換・専用回路・容量アップ
- ガス閉栓費:ガスの撤去・閉栓手続き
「オール電化工事一式」とまとめられた見積書は要注意です。特に電気工事費は分電盤の状態次第で大きく変わるため、項目として明示され、容量アップの有無まで書かれているかを確認してください。型番が書かれていない見積もりは、後から下位グレードの機器に変わるリスクもあります。
オール電化 費用比較表
| 工事 | 手軽帯 | 標準帯 | 本格帯 |
|---|---|---|---|
| エコキュート | 35万〜45万円 | 45万〜55万円 | 55万〜70万円(寒冷地/大容量) |
| IH | 15万〜20万円 | 20万〜25万円 | 25万〜35万円(上位機種) |
| 電気・分電盤 | 〜3万円(軽微) | 3万〜8万円 | 8万〜15万円(容量大幅アップ) |
※上記はあくまで一般的な目安レンジです。実際の費用は必ず複数社の見積もりで確認してください。
補助金の活用と注意点
エコキュート(高効率給湯機)は省エネ性能が高いため、年度によって国や自治体の補助金の対象になることがあります。ただし補助金は年度・予算枠・自治体によって有無も金額も大きく変わり、対象となる機器の効率や型番に条件があるため、「いくら補助される」と断定はできません。最新の制度内容や対象条件は、お住まいの自治体や国の窓口で必ずご自身で確認してください。
補助金を使う前提で計画する場合は、対象機器の型番選定や申請手続きに慣れた業者かどうかも見極めポイントになります。相見積もりの際に、補助金の取り扱い実績を確認しておくと安心です。
相見積もりで費用を抑えるポイント
(1)最低3社から見積もりを取る
オール電化は機器のメーカー・グレードと電気工事の内容で差が出やすい分野です。3社以上あれば、機器の提案と電気工事の見立ての両方を比較できます。
(2)機器の容量・型番をそろえて依頼する
「エコキュート460L・フルオートタイプ」「IHは3口・ラジエントヒーター付き」のように条件を指定すると、本体費と工事費の比較が正確になります。型番が違うと金額の比較になりません。
(3)電気容量の確認を依頼する
今の契約アンペアと分電盤で対応できるのか、容量アップが必要なのかを各社に確認してもらいましょう。ここを曖昧にしたまま契約すると、後から「容量アップ別途」と追加されることがあります。
(4)一括見積もりサービスを活用する
自分で複数業者を探す手間を省けます。条件を入力するだけで複数社から提案が届くサービスを使うと効率的です。
(5)保証とアフター対応を確認する
エコキュートは長く使う設備です。本体のメーカー保証に加え、設置工事に対する保証期間と、故障時の対応窓口を確認しておきましょう。
まとめ
オール電化リフォームは、機器(エコキュート・IH)の費用だけでなく、電気工事(分電盤・容量アップ)まで含めて考える必要がある工事です。目安として以下を覚えておくと役立ちます。
- エコキュート設置:35万〜60万円程度
- IHクッキングヒーター交換:15万〜30万円程度
- 分電盤交換・容量アップ:3万〜15万円程度
- オール電化一式:60万〜120万円程度
そして、「オール電化にすれば光熱費が必ず下がる」とは言い切れません。電気料金プランや生活スタイルによって損得が変わるため、現在の光熱費と見積もりを並べてご自身で試算することが大切です。
見積書が届いたら、機器本体費・既存撤去費・設置工事費・電気工事費が分かれて記載されているかを確認してください。「一式」でまとめられた見積もりは、電気容量アップの有無や機器の型番が見えにくくなる傾向があります。
相見積もりに不安がある方は、一括見積もりサービスを活用して複数社から提案を受け取るのが確実です。
よくある質問(FAQ)
Q. オール電化にすると光熱費は安くなりますか?
A. 一概には言えません。夜間電力が安い料金プランで、お湯を夜間に沸かす使い方なら下がる可能性がありますが、日中の在宅時間が長い世帯では効果が小さくなることもあります。電気料金は改定されることもあるため、現在の光熱費と見積もりを並べてご自身で試算するのが確実です。
Q. エコキュートの設置場所はどこになりますか?
A. 貯湯タンクとヒートポンプユニットを屋外に設置するのが一般的です。タンクは高さ・幅があるため、設置スペースの確保と、基礎(コンクリート土間)の有無を事前に確認しておくと安心です。狭小地では薄型タイプを選ぶこともあります。
Q. 工事は何日かかりますか?
A. エコキュートとIHの入れ替えだけなら1日で完了することも多いですが、分電盤の交換や電気容量のアップ、貯湯タンクの基礎工事が入ると2日程度かかることもあります。工事当日は一時的に給湯やガスが使えなくなるため、段取りを業者に確認しておきましょう。
Q. マンションでもオール電化にできますか?
A. マンションは電気容量に上限があり、ガス設備が共用部に関わることもあるため、戸建てのように自由に切り替えられないのが一般的です。エコキュートの設置スペースの問題もあります。必ず管理規約を確認し、管理組合に相談してください。
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